どれだけ美味しい?青色申告の特典とは?

税金の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

昨日、開業したら青色申告承認申請書だけは出しておけ!
という趣旨のブログを書きました。

今日お会いした方は、「売上規模が少なく、経費の方が多い」
という理由で申告をしていないという方でした。

もちろん、それはNGですよとお伝えした上で、
青色申告にしましょうという話をしたのですが、
青色申告って何?というところからスタートでした。

我々の業界的には常識であっても、
一般の方にとっては未知の領域だったんだなということに
改めて気づかされました。

以前にブログに書いた『共通言語』の話ですね。

確かに、私もサラリーマン時代は
確定申告なんかは知りませんでしたので、
今日は、青色申告って何?というテーマでお送りします。

そもそも、青色申告って何?

日本には『青色申告』と『白色申告』の二種類があります。

正確には、『青色申告』と『青色じゃない申告』の2つです。

青色の名の通り、実際に紙で申告書を提出する際は、
先頭の一枚を青い紙で提出します。
これで青色申告かそうでないかを判別していたんですね。

最近では電子申告が主流になりましたので、
紙で出すこともなくなりましたが、何で『青色申告』なのか知っていますか?

諸説ありますが『青空のように一点の曇りもない申告をしよう!』ということのようです。

そうです。青色には曇りがあってはいけないのです。

ということで、青色申告をするためには、
一点の曇りもない申告が出来るだけの準備をしなければなりません。

下記をご覧ください。国税庁HP<青色申告制度>より抜粋です。

1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額 や必要経費に関する
日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存して
おく必要があります。
 ところで、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、
所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。

ご覧の通り『一定水準の記帳』と『それに基づく正しい申告』が必要となっています。

『一定水準の記帳』とは、つまり『複式簿記』のことを指します。
簿記2級とかで習うアレです。

つまりは、『簿記の知識をもって、正確に申告すること』が青色申告なのです。

何か面倒くさそうですよね?
確かに面倒くさいですが、やるだけの価値はあります。

もう一度上の抜粋の一番最後の行を読んでください。
『所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる』と書いてありますね?

国としても、青色申告で正確な税金を集めたいので、
青色申告してくれる納税者に対しては、特典を設けています。

この特典がかなり美味しいので、是非青色申告しましょう!

かなり美味しい青色申告の特典とは?

主に4つの特典が認められています。

青色申告特別控除

不動産所得または事業所得がある方限定ですが、
最高65万円の所得控除が出来るようになります。

「複式簿記によって正しい申告をしてくれるなら、65万円引いて良いよ」
という感じです。

これが最高の特典です。

複式簿記で帳簿を付けると、国からギャラが65万円出るんですよ?
やらない手はないです。

ただし、65万円の控除を受けるためには、
損益計算書だけでなく貸借対照表も添付し、
3月15日までに申告しなければなりません。

貸借対照表を添付しない場合には10万円の控除となります。
55万円も違いますので、是非貸借対照表を添付したいところです。

青色事業専従者給与

15歳以上の生計一親族に給与を出す場合、
青色申告であればその支払った金額が経費になります。

白色の場合は配偶者であれば86万円まで、
その他は50万円までしか経費になりません。

貸倒引当金

これは正直どうでも良いので割愛しますw

純損失の繰越しと繰戻し

事業所得等に損失が出た場合は、他の所得と相殺することができます。

これを『損益通算』と言いますが、
損益通算をしてもなお損失の方が多い場合は
翌年以後3年間繰り越す事が出来ます。

今年-100万、翌年+200万だったとすると、
青色申告の場合は相殺できるので、翌年100万円に対しての税金だけでOKです。

編集後記

ということで『どれだけ美味しい?青色申告の特典とは?』でした。

見ればお分かりでしょうが、
やらない手はないです。

複式簿記が出来ないという方は、税理士使いましょう。
65万円寄越せと言ってくる税理士もいないでしょうから、
多少は得する話ですから。

もちろん私でも構いませんがw

コメント

  1. […] 以前に青色申告のメリットについてはブログを書いていますので、 こちら参考にして下さい。 […]