江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。
税理士を目指して専門学校へ通う場合は、
基本的に週2コマの授業があります。
平日の夜に学校に通えない場合には、
土曜日又は日曜日に2コマまとめて受講する事もできます。
ちょうど今日が1月からスタートした場合の初回の土曜日になりますので、
税理士試験のすゝめ第2回として「合格率と合格者数にみる科目選択方法」をお送りします。
合格率からみる科目選択
改めて、上の画像をご覧ください。
国税庁のHP≪平成30年度(第68回)税理士試験結果≫より抜粋したモノです。
これは昨年度の結果ですが、直近5年分くらいのデータが載っています。
こうしてみると、平均すると12.8%の合格率となっていますね。
年によって変わりますが、大体こんなモノです。
100人受けて13人受かるかどうかという試験です。
高いと見るか、低いとみるかは置いておいて、
次にこれをご覧ください。
自作しました。各年度の科目別合格率の推移です。
良く眺めていると、何か見えてくるモノがありますね。
毎年似たような水準で安定しているモノもあれば、
乱高下しているようなモノもあります。
私が思うことは「財務諸表論の合格率だけおかしくね?」です。
6年平均のデータでいくと、ダントツトップです。
その後を簿記論と固定資産税が追っていますが、
4%以上の開きがあります。
100人受けて、簿記論だと14人合格ですが、財務諸表論だと19人合格します。
10,000人受験なら、1,400人と1,900人ですから、かなりの差ですね。
ということで、合格率から見ると、1月からスタートする場合の
最初の科目としては財務諸表論がオススメということになります。
次点が簿記論と固定資産税です。
余談ですが、平成29年の財務諸表論の試験は近年まれに見るほど簡単だったそうです。
みんなが満点取れるレベルで。
そのため答案に差がつかず、29.6%という驚異的な合格率になっています。
私の大原時代の同期で、数少ない現役講師に聞いたのですが、
そいつのクラスは45人中40人合格したと言っていました。
平成30年の13.4%は前年やり過ぎたことの反動でしょうね。
合格者数からみる科目選択
続いてこちらは、合格者数の科目別推移です。
平均で行くと、
1位:簿記論
2位:財務諸表論
3位:消費税法
となっています。
合格率は財務諸表論がダントツでしたが、
実際の合格者数で見ると、簿記論が逆転します。
これは単純に、受験者数が簿記論>財務諸表論だからです。
簿記論は、日商簿記検定などの、同じ『簿記』を扱う試験が数多くありますので、
受験者数が他の科目に比べて増える傾向にあります。
「日商簿記1級受かったし、税理士も行けんじゃね?」みたいな層や、
大学の会計研究会がイベントとして受験してみるといったことが起こっています。
肌感覚でしかありませんが、全受験者のうち三割程度がこれです。
税理士科目としての簿記論のトレーニングを積んでいない層なので、
正直な話、相手になりません。
ナイス分母!と声がけしたくなります。
これを考えると、10,000人中3,000人は相手になりませんので、
残り7,000人での勝負となります。
1,400人合格しますので、実質的な合格率は20%になる計算です。
考察
合格率でみると
1位:財務諸表論
2位:固定資産税
3位:簿記論
合格者数でみると
1位:簿記論
2位:財務諸表論
3位:消費税法
となっています。
これをみると、やはり簿記論と財務諸表論から攻めるのが定石と言えます。
前回、とりあえず1科目から始めるのが良いと書きました。
簿記論か財務諸表論から始めるのが良いでしょう。
ただし、1月スタートということを考えると、すでに4ヶ月の開きがありますので、
消費税法や固定資産税といった、1月からでも十分間に合う科目から始めるのもアリです。
その辺の話は次回に回したいと思います。
編集後記
最近息子がアマゾンプライムで見られるアニメにはまっています。
『スティンキーとダーティー』という、ゴミ収集車とショベルカーが活躍するお話です。
様々な問題を「こうしたら?」と言いながらゴミと泥でチャレンジし、解決していくアニメです。
手持ちの札で勝負していく姿は、我々と似ています。
できること・できないことを理解し、合格までの道筋を探しましょう!