会社の備品を購入!どこまで経費になる?

経理の勘所
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

1月1日に開業してからと言うモノ、
事務所の備品を買いまくっています。

ようやくある程度の形になってきましたが、
物欲は収まりませんねw

ということで、今回は備品を買ったときの経理処理について、
経理の勘所、行ってみましょう。

備品が経費になる方法には3種類ある。

会社で使う備品については、基本的に経費でOKです。

ときどき自宅のTVの領収書を持ってくる方がいますが、
これは明らかにアウトなので、止めてくださいね。

基本的にと言ったのは、経費になるスピードが違う
3つのパターンが存在するからです。

① 購入した年の経費になる

② 購入した年から3年で毎年1/3ずつ経費にする

③ 買った物の種類に応じた年数で毎年決まった割合だけ経費になる

という3つです。

以下でそれぞれ見ていきたいと思います。

パターン① 購入した年の経費になる

これが一番シンプルですね。

『買ったら経費』です。

これがOKなのは、『買った物の値段が単価10万円未満』の場合です。

『単価』なので、例えば9万円のモノを100個買って900万円になってもOKです。

ただし、一つだけ注意しなければならないのが、
『単価10万円未満』という金額は、会社の経理処理によって
消費税込みか消費税抜きかが決まります。

会社が税込み経理方式を採用していた場合は、
この『10万円未満』の判定も税込みで行います。

これに対し、会社が税抜き経理方式を採用していた場合は、
『10万円未満』の判定も税抜きで行われるのです。

ややこしいですね。
例えば、税抜き95,000円のモノを買ったとすると、
税込みは102,600円ですね。
2019年10月以降であれば、104,500円です。

この場合、会社が税抜き経理方式であれば経費でOKですが、
税込み経理方式の会社は『単価10万円未満』になりませんので、
②か③によって経費にしていく必要があります。

パターン② 購入した年から3年で毎年1/3ずつ経費にする

①で経費にならなかったモノ、
つまり『単価10万円以上』のモノはこちらに流します。

『15万円のモノを買ったら、5万円ずつ3年で経費にする』というイメージです。

このパターンにも金額制限があります。
『単価20万円未満』です。

①があるので、『10万円以上20万円未満』だという勘違いをされる場合がありますが、
要件は『単価20万円未満』だけですので、
例えば9万円のモノを3万円ずつ3年で経費にしてもOKです。

・・・まぁやる人はいないと思いますがw

注意としては、年割りであるということです。
会計の知識があると、○ヶ月/36ヶ月という月割り計算したくなりますが、
このパターンの場合は年割りですので、単純に3で割ってください。

パターン③ 買った物の種類に応じた年数で毎年決まった割合だけ経費になる

長いわ!

一言で言うと『減価償却』です。

①でも②でもないモノをこれで経費にします。

パソコンであれば4年、応接セットであれば8年というように
国が『何年で経費にしなさい』という年数を事細かに決めています。

詳細は耐用年数省令別表でググってください。
マジかよってレベルで出てきますからw

買ったモノがどれに該当するかを確認し、その年数に従って経費にする
という作業をしなければなりません。

減価償却についての詳細は、長くなりますので後日まとめます。

ちなみに、①②は『経費にすることができる』という規定ですので、
①②を適用しない選択をした場合には、
③で経費にする事になります。

・・・そんな面倒くさいことやるかよ!という声が聞こえてきますが、
決算で赤字が!みたいなときに検討することがありますので、
覚えておいて損はないです。

焼け石に水だろ!と思いましたね?
次を読んでください。

中小企業の特例!30万円未満は経費でOK!

これまで3つのパターンを紹介しましたが、
実は、中小企業(資本金1億円以下)の場合は、特例があります。

①の『単価10万円未満』が『単価30万円未満』に拡大されるのです。

これにより、中小企業の場合は大体の備品を『買ったら経費』にすることができます。
PC買っても30万しないですよね?

何と素敵な特例か!と思いきや、ちょっとした制限がかかります。

それは、『年間300万円に達するまで』というもの。
年間ですから、設立年度などで1年未満の場合は月割りしなければなりません。

また、300万円に達するまでというのがわかりにくいのですが、
例えば、29万円のモノを11個買ったとすると、
29万円×11個=319万円になります。

この場合、300万円が経費にできるかというと、できません。

あくまでも1個あたりで計算しますので、
この場合は29万円×10個=290万円まで経費にすることができ、
残りの1個は③で経費にするという流れになります。

年300万円も備品を買う事もあまりないかと思いますが、
30万円×数個というのは、利益に与えるインパクトがデカいので、
決算で赤字が!というときに検討することがあるのです。

編集後記

ということで、今日は備品についての経理の勘所でした。

いずれレビューしますが、結構調子に乗って色々と買い込みすぎた感がありますw

理想の職場環境をゲットするためと自分に言い聞かせていますが、
全部は今年の経費にしないかもしれません。

勤めていた頃は稟議がめんどくさかったモノですが、
誰かに確認する作業の中で、冷静になれていたのかもしれませんね。

自重せねば!