医療費のお知らせが来たけど、何これ?っていうお話。医療費控除で使える?

税金の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

お客様から、「これなんですか?」といわれて、とある写真が届きました。

そこに写っていたのは『医療費のお知らせ』でした。

昨年くらいから、確定申告において医療費控除をする場合、
この『医療費のお知らせ』で申告することが可能になっています。

微妙に使い勝手が悪かったりするのですが、
今日はその辺も併せて、医療費控除についてまとめておきたいと思います。

そもそも医療費控除って何?

簡単に言ってしまうと、

『一年間に掛った医療費が10万円を超えていれば税金が安くなる』
という制度です。

医療費控除を受けるには、確定申告をしなければならないため、
サラリーマンで、普段は確定申告関係ないという場合でも、
これはやったことがあるという方も多いのではないでしょうか?

もう少し詳細に解説すると、所得控除というカテゴリーになりますので、
10万円超の部分がまるごと減税になるわけではなく、
その金額に税率を乗じた金額だけ減税となります。

税率については、個人個人の所得に応じて累進課税ですので、
同じ医療費でも、税率が高い人ほど減税効果が高いということですね。

例)支払い医療費が25万円だった場合

① 税率20%の人
 25万円ー10万円=15万円×20%=3万円の減税

② 税率33%の人
 25万円ー10万円=15万円×33%=約5万円の減税

ちなみに、医療費については、ご自身の医療費のみならず、
生計を一にする配偶者やその他親族の医療費もまとめて計算できますので、
旦那さんor奥さん、子供、同居の両親など全部まとめておきましょう。

何故ならば、『10万円を超える』というのは、1人あたりの話なので、
2人で別々に医療費控除をする場合は、結局20万円引かれてしまうことになるからです。

例)支払い医療費が15万円ずつの夫婦の場合(税率はともに20%とする)

① 別々に医療費控除した場合

 夫:15万円-10万円=5万円×20%=1万円の減税
 妻:15万円-10万円=5万円×20%=1万円の減税
 合計=2万円の減税

② 夫が全部まとめた場合

 夫:(15万円+15万円)-10万円=20万円×20%=4万円の減税
 妻:0円
 合計=4万円の減税

医療費控除ってどうやったら受けられるの?

家族分まとめて申告すれば、税金が安くなるんだな!
というのはお分かりいただけたと思います。

では、実際にどうすれば良いのでしょうか?

繰り返しになりますが、医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。
その確定申告書に『医療費控除の明細書』を添付する事で受けることができます。

以前は、医療費の領収書を封筒に詰めて同封しなければならなかったのですが、
今では明細書の添付だけでOKになっています。

ただし、5年間は税務署から見せろと言われる可能性がありますので、
自宅等に保存しておかなければなりません。

余談ですが、とある税務署ではこの医療費の領収書が
毎年段ボールで5,000箱分届いていたそうです。
それが5年分ですから、保管場所だけでもヤバいことになりますよね。
そのため、ようやく明細書の添付だけでOKということにしたようですw

医療費の明細書ってどう作れば良いの?

いきなり明細書の添付が必要ですと言われても困りますよね。

これが明細書です。

手書きかよ?と思った方、大丈夫です。

国税庁のHPの確定申告書作成コーナーにテンプレートがありますので、
それを使いましょう。

ダウンロードするとこんな感じです。

① 医療を受けた人
② 病院・薬局などの名称
③ 医療費の区分(診療・治療、医薬品購入、介護保険サービス、その他)
④ 支払った医療費の額
⑤ 支払った医療費のうち補填される金額
⑥ 支払年月日

という6項目を入力していくと、左上に合計額が集計されるようになっています。

集計すら面倒くさいという方へ

諦めてください。

・・・ホントデス。

・・・・・・実はちょっとだけ楽になる可能性があります。

それが冒頭に出てきた『医療費のお知らせ』です。

加入している健康保険組合によって形式が異なるのですが、
だいたいこのくらいの時期になると、
自分が使った医療費の明細が届きます。

このお知らせを使うには、次の6つがすべき記載されていることという要件があります。

① 被保険者の氏名
② 療養を受けた年月
③ 療養を受けた者
④ 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
⑤ 被保険者が費払った医療費の額
⑥ 保険者等の名称

私が昨年所属していた組合は大丈夫だったのですが、
噂によると組合によっては、要件を満たさないモノもあったとか・・・

お手元に今年の『医療費のお知らせ』はありますか?
中身を確認してみましょう。

6要件すべて満たしていますか?
満たしていたとすると、次の関門です。

集計期間を見てください。

冒頭で、私が微妙に使い勝手が悪いといった意味がお分かりですね?
昨年の1月~12月分じゃないですよね?
正直意味が分かりません。何を思ってこうしているのやら・・・

とはいえ、あるモノで勝負するしかありませんので、これを使います。
1月~載っている日までは集計しなくて良いんだと、逆に考えましょう。

つまりは、載っている日までは『医療費のお知らせ』を使い、
そこから12月31日までは領収書を集計するということになります。

一年分の集計よりは楽になるでしょう。

注意としては、個人別で届くので、
生計一親族の分を忘れずに集計するということですね。

医療費控除の対象となる医療費とは?

正直解説仕切れるモノでもないので、気になる方はこちらをご確認ください。

普段の体調を100として、けがや病気などで70とか80に下がったとします。
これを100に戻すための行為が『治療』ですので、
そのための費用が『医療費』となります。

これを120にするような行為(マッサージや歯のホワイトニングなど)は『治療』ではありませんので、『医療費』とはならないのです。

ざっくりイメージで言うと、保険診療はOK、自費は微妙です。
自費が微妙なのは、自費でも『医療費』になるモノがあるからです。

また、100の体調を70にしないための行為(健康診断や人間ドック、予防接種など)も
『治療』ではありませんので、『医療費』とはなりません。

ただし、健康診断などで病気が見つかり、結果『治療』に繋がった場合は
『診察』と見做され、健康診断などの費用も医療費控除の対象となります。

編集後記

ということで、医療費控除についてざっくり解説してみました。

まだまだ、病院に行ったときの交通費も医療費になるとか、
保険がおりた場合の処理など、様々な論点がありますが、
切りがないので、今日は集計の話をメインにここまでにしておきます。

医療費控除の一番のネックは、
一年分の領収書を取っておかないといけないことでしょう。

私も何枚かロストしているような気がします。

また、最悪なのが集計してみたら10万円いってなかった場合ですね。
昨年、確定申告をお手伝いしたお客様で99,980円という人がいました。
職場で「マジかー!」って叫びましたからねw

これは極端な例ですが、二の轍を踏まないようにしてください。
まずはExcelなどで金額だけ入力し、
10万円を超えていたら名前などを入力するようにしましょう。

面倒くさい方は、ご依頼お待ちしております!
・・・と言いたいところですが、
事業所得や不動産所得があり、それも併せて依頼されている方は別として、
税理士に払う報酬の方が高くなるでおなじみの項目なので、
是非、ご自身でやるようにしましょう!

 

コメント

  1. […] 昨日のブログで書いたように、 『治療』のための支出が『医療費』に該当します。 […]