続・医療費控除の話

税金の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

昨日の医療費控除のブログを読んだらしい友人から、
最後に書いてあった交通費とかの話を教えてと言われたので、
今日はその辺りを解説したいと思います。

医療費控除の対象となる医療費とは?

昨日のブログで書いたように、
『治療』のための支出が『医療費』に該当します。

医師・歯科医師による診察・薬代、『治療』のための整体・鍼灸などです。
また、出産費用なども医療費になります。

その他に、『医師等による診療等を受けるために直接必要なもの』ということで
交通費等も『医療費控除の対象に含まれる』と規定されています。

具体的には下記の通りです。

・通院費
・医師等の送迎費
・入院の対価として支払う部屋代や食事代
・医療器具の購入や賃貸のための費用
・義手、義足、松葉づえや義歯や補聴器等の購入の費用
・身体障害者福祉法などの規定により、都道府県や市町村に納付する費用のうち、
医師等の診療費用などに当たるもの
・6か月以上寝たきりの人のおむつ代で、その人の治療をしている医師が発行した
証明書(「おむつ使用証明書」)のあるもの

他にもいくつもの例示が出ていますので、
詳細は下記をご覧ください。

国税庁のHP確定申告書等作成コーナー<医療費控除>より抜粋

注意すべきは『通院費』!何処までOK?

医療費控除の表をご覧いただくと分かるのですが、
医療費控除の対象にならないものの例示も載っています。

・容姿を美化し、容ぼうを変えるなどの目的で行った整形手術の費用
・健康診断の費用
・タクシー代(電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除きます。)
・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金
・治療を受けるために直接必要としない、近視や遠視のための眼鏡等の購入費用

上の2つは昨日のブログでも触れましたが、
次の2つが要注意です。

『通院費』は医療費控除の対象になるのですが、
タクシー代と自家用車で行った場合のガソリン代・駐車場代はNGなのです。

つまり『公共の交通機関』を使って病院に行った場合でないと、
医療費控除の対象にならないということですね。

ただし、タクシー代は検討の余地があります。

『電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除きます。』
となっていますので、病院が駅から遠くにある場合や
そもそも駅やバス停に行くのも大変な場合など、
やむを得ない事情があれば、タクシー代も医療費控除OKになります。

逆に、やむを得ない事情があったとしても、
自家用車のガソリン代・駐車場代は医療費控除の対象になりません。

タクシー呼ぶより自分の車で行った方が早いよ!と思われるでしょうが、
プライベートと明確に区分できない以上、控除させないというのが国の方針です。

実際、私も子供が深夜急に発熱した際に自分の車で病院に連れて行きましたが、
その際の駐車場代は医療費控除はできませんでした。
○○病院駐車場という記載があるにもかかわらずです。

電話でお話した税務署の方も、心苦しそうでしたので
こちらが折れましたが、モヤモヤしますね。

なので、医療費控除を考慮して、
病院行くときはタクシーを呼びましょう。
(そんな余裕はないかもしれませんが)

一応、一番下のめがねの話もしておきますと、
私もそうですが、普通の近視用めがねなどは医療費控除の対象にはなりません。

弱視や白内障などの目の病気のため、
医師の処方に基づき作成されるモノであればOKです。

保険がおりた場合の医療費はどうなる?

医療費控除の対象になるのは、実際に支出した金額ですから、
保険金や一時金などを受け取った場合には、それを差し引いた金額が
医療費控除の対象となります。

具体的には、生命保険の入院給付金や手術一時金、健康保険の高額医療費、
出産育児一時金などを受け取った場合には、医療費の金額から差し引かなければなりません。

ただし、差し引くのは『その給付の対象になった医療費』だけですから、
自己負担1万円の入院で5万円の給付を受けた場合でも、
差し引くのは自己負担1万円まででOKです。
残りの4万円を他の医療費から差し引く事はありません。

編集後記

ということで、続・医療費控除のお話でした。

交通費について補足しておきますと、交通費の領収書はなくて大丈夫です。
そもそも電車代の領収書って貰わないですよね。

ルート調べて集計するのが意外に面倒だったりしますので、
早めにまとめておきましょう。

ちなみに、私は昨年の医療費が10万円行きそうにないので、
集計する気すらありませんw