江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。
以前の『税理士受験のすゝめ』でちょっとだけ触れましたが、
勉強は週末に5時間やるよりも、平日に1時間ずつやった方が
遙かに効率が良いです。
これは、私だけがそうなのではなく、
人間の脳のシステムがそうなっているからです。
今日はその辺をもう少し深掘りしてみたいと思います。
記憶には3種類あるって知ってる?
「勉強したはずなのに思い出せない」
「昔の事は覚えているのに、3日前の昼ご飯は覚えていない」
といった経験は誰しもしたことがあると思います。
税理士試験は暗記の試験ですので、
「勉強したはずなのに思い出せない」で悔しい思いをすることが多かったですね。
覚えている・いないの差はなんなのでしょうか?
それが記憶のメカニズムの話しなのです。
記憶には3種類あると言われています。
諸説ありますが、ここでは『一時記憶』『短期記憶』『長期記憶』の3つとします。
一時記憶とは?
一時記憶とは『作業記憶』『作動記憶』とも言われ、
その作業が終わったら忘れてしまう記憶です。
例えば、電卓を叩くときなどがこれです。
問題の数字を見る→記憶する→電卓を叩く
という流れになりますが、その数字の記憶は一瞬でなくなりますよね?
普段電卓を叩くときに『記憶している』感覚はないと思います。
そのような『無意識の記憶』が一時記憶なのです。
一説によると、数秒~長くても20秒程度で消えてしまうそうです。
と言っても、すべての記憶は一時記憶から始まります。
これを意識的に記憶することで『短期記憶』にシフトさせることができるのです。
短期記憶とは?
今日のお昼ご飯何でした?
ほとんどの方が思い出せるでしょう。
3日前のお昼ご飯何でした?
まだ思い出せる方もいるでしょう。
1ヶ月前のお昼ご飯何でした?
これは余程のことがない限り、思い出せないと思います。
これがまさに短期記憶です。
一時記憶に始まり、何らかの意識(例えば唐揚げが熱かったとか)で
短期記憶にシフトするのです。
しかし、そこまで重要ではないので、長時間記憶に残ることはありません。
長期記憶とは?
上で「そこまで重要ではないので」と書きましたが、
これが長期記憶へシフトするポイントです。
人間の脳は忘れるようにできています。
容量が限られていますので、
すべてを記憶するということが不可能だからです。
そこで、『重要なモノ』に限って記憶を残すようになっています。
何が『重要なモノ』なのかは個人差がありますが、
長期記憶へシフトすることができた記憶は、忘れることがありません。
例えば、自分の名前や自宅の住所などは忘れないですよね?
税法のすべてがこのレベルというわけにもいきませんが、
長期記憶になったモノは、頭の片隅に格納されていますので、
ふとしたきっかけで思い出せるようになっています。
初恋の人など、普段は思い出さなくても、
ふとしたきっかけで記憶の扉が開くのでは?
長期記憶へとシフトする方法
記憶には3種類あるということはお分かりいただけたと思います。
受験対策としては、如何にして長期記憶へとシフトするかがテーマとなります。
一番気をつけなければいけないのが、
長期記憶にしたつもりで、できていない状態です。
では、どうすれば長期記憶にシフトさせられるのでしょうか?
答えは『反復』です。
短期記憶×反復=長期記憶です。
記憶にインパクトがあると、反復回数を少なくできます。
勉強の場合は視覚のインパクトが一番大きくなりますが、
聴覚を活用する事をオススメします。
目で見て頭の中で唱えるだけでなく、
音読すると効率上がりますよ!
特に理論の暗記が必須な税法をやっている方は、
書くよりも音読すると倍以上の効果があると思います。
編集後記
ということで、今日は記憶のメカニズムについてでした。
この話をする際に人生で一番古い記憶を掘り起こしてみたところ、
大きな桶で私を風呂に入れている母親を見上げている記憶が蘇りました。
皆さんの一番古い記憶は何ですか?