携帯代金を真面目に仕訳すると、逆に間違える?

税金の話
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こんにちは!江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

先日、月曜と木曜に更新できないので、
火曜と金曜に二本書きます!と宣言したのですが、
月初の金曜日だけは朝から深夜まで拘束されてしまうことに気づいてなかった件。

と言うことで、月初のみ、土曜に三本更新になりそうです。

改めてルール設定しますと、
『週七本ブログ更新』するので、私の中で『毎日更新』扱いします。

と言うことで、7/4更新分のブログをお届けします。

テーマは『携帯代金を真面目に仕訳すると、逆に間違える?』です。
真面目にというか、ちゃんと明細を見てその通りに仕訳すると、
逆に間違った仕訳になるんですよというお話です。

携帯代金を真面目に仕訳するとは?

毎月こんな明細来ますよね?
詳細確認してますか?

詳細を確認している方は知っていると思いますが、
この明細の中には下記が含まれています。

◇ 通話代
◇ データ通信費
◇ アプリ等の費用
◇ 携帯電話端末の分割代金

真面目に仕訳するとは、この明細をちゃんと読み込んで、
書いてあるとおりに仕訳をするということです。

・・・何が問題なの?
と思いましたね?

そこが今日の勘所です。

この明細をしっかりと読み込んでいる方は、
消費税区分をしっかり注意して仕訳をしている方ですので、
何も考えずに全額を『通信費』にしている方よりは、
遙かに高レベルです。

しかし、高レベルであるがゆえに、
「俺は消費税もちゃんと注意してるんだぜ」というところで
思考停止していませんか?

消費税区分に気付くと何が起こるのか

普段明細を気にしていない方は何のこっちゃって話ですよね。

実は、毎月の携帯代金の中には、
消費税がかかるモノとかからないモノがあるって知ってましたか?

基本的には全て消費税の対象なのですが、
2つだけ消費税がかかっていないモノがあります。

それが『国際電話料金』と『携帯電話端末の分割代金』です。

国際電話料金については、
消費税をかけないという規定があります。

あくまでも日本国内で完結するモノのみに税金をかけるという理由によります。

従って、国際電話をかけている場合は、
ちゃんと区別して仕訳をしないと、間違いということになります。

消費税がかかっていないモノを、かかっているとしてしまうと、
その分納める消費税が減ってしまいますので、
税務署から怒られるヤツですw
気をつけましょう。

携帯電話端末の分割代金には注意

これに対して、『携帯電話端末の分割代金』は注意です。

明細上は、消費税の対象外として記載されてきます。

これが、正しくて間違っているので問題なのです。

意味が分かりませんねw
携帯電話会社の明細は正しく作成されています。
しかし、こっちサイドの仕訳が間違っているのです。

解説します。

【例】12万円(税込)の端末を12回払した場合

この場合は、本来このように仕訳するのが正解です。

購入時:(消 耗 品 費)111,111(未払金)120,000
____(仮払消費税)   8,889

支払時:(未払金)10,000(現金預金)10,000

お分かりでしょうか?
消費税がかかるのは、携帯電話端末そのものであって、
未払金には消費税がかからないのです。

携帯電話会社はこの考えに基づいて明細を作りますので、
端末の分割代金は消費税の『対象外』として記載があるのです。

しかし、この分割金を毎月の電話代と併せて請求してくるので、
ややこしくなっています。

皆さんの中で、自分の携帯電話端末の代金がいくらなのか、
正確に把握している方いますか?

恐らくほとんどの方が把握していないと思います。
私も把握していませんw

つまり、端末購入時は何も処理されていなということなのです。

購入時:(消 耗 品 費)111,111(未払金)120,000
____(仮払消費税)   8,889

この仕訳がなされていないまま、
支払時:(未払金)10,000(現金預金)10,000
という仕訳だけしている状態になっているのです。

もっとも、未払金ではなく通信費で処理しているでしょうが。

これでは、端末代金にかかる消費税が計算されないことになってしまいますので、
消費税的に正しくありません。

しかし、納税する消費税が増える方向の間違いなので、
税務署は絶対に教えてくれないヤツですw

携帯電話端末の分割代金の処理方法の正解は?

購入時:(消 耗 品 費)111,111(未払金)120,000
____(仮払消費税)   8,889

支払時:(未払金)10,000(現金預金)10,000

とい仕訳をするのが正解です。
これが非の打ち所のない処理方法です。

しかし、中々把握するのが面倒くさいので、
実務上は、月々の請求時に『通信費』に混ぜて処理するのが良いでしょう。

【例】分割10,000円と通信費5,000円(税込)だった場合

(通 信 費)13,888(現金預金)15,000
(仮払消費税)  1,112

このように、月々の請求時に消費税を認識していけば、
12回分割でトータルの消費税は合います。

多少の問題は残りますが、
実務の手間を勘案した、1番当たり障りのない方法です。

編集後記

ということで『携帯代金を真面目に仕訳すると、逆に間違える?』でした。

文中でも書きましたが、
消費税区分を気にしている方は、
気にせず仕訳している方より、遙かに高レベルです。

しかし、結果として間違った仕訳になってしまい、
消費税分を損しているかも知れませんね。

税理士でも気付いていない場合があります。
数社直したことがあるのでw

お心当たりのある方は、
一度見直してみることをオススメします。