マイナンバーって確定申告書に書かなきゃダメなの?ざっくり解説します!

税金の話
Pocket

江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

今日から2月ですね。

我々の業界的に言うと、1月は『1月末まで』という提出物が結構あるので、
何となく忙しいのですが、2月に入ると今度は確定申告が本格化してきます。

何となく3月15日のイメージがあると思いますが、
申告自体は2月16日から行うことができますので、
2月中には準備を終わらせたいところです。

還付の申告であれば、2月16日を待つ事なく申告できますので、
もうすでに申告終わっているという方もいるかもしれませんね。

さて、そんな確定申告ですが、『マイナンバー』気になりますよね?

今日は、その辺についてざっくり解説して行きたいと思います。

そもそもマイナンバーって何なの?

何となくネガティブなイメージがついて回っているマイナンバーですが、
そもそも何の目的で作られたかご存じですか?
目的は以下の3つです。

公平・公正な社会の実現

国民の利便性の向上

行政の効率化

聞き心地の良い文言が並んでいますね。

要するにマイナンバーですべて紐付けることで
縦割りだった今までの行政体制を見直し、
それぞれ単独で管理していたデータを統合できれば、
照会スピード・精度ともに向上が図られ、
不正受給などがないように整備できるようになるというモノです。

人件費も削れますし、我々も役所をたらい回しにされなくて済むようになるので
結果として、国民の利便性も向上するという理屈のようです。

とはいえ、国が国民の財産状態をガラス張りにして管理するためだ!
とか非道い言われようだったりしますね。

職業柄、私はマイナンバー制度について勉強しましたが、
感想としては「そこまでネガティブになる必要はない」です。

どっちかというと、Googleにパスワードを記憶する方が
何かとリスキーだと思います。

他にも、スマホのアプリで振込みできるように
ワンタイムパスワードを設定したのですが、
『ワンタイムパスワードは自動で送信されます』と言われ
ヤバくね?と思いましたからねw

話が逸れましたが、ネガティブな印象があるのは、
『マイナンバーカードがあれば、公的な身分証明書として使えます』と言っておきながら
『コピーが必要な場合は、マイナンバーが人に見えないようにしましょう』とか
意味が分からないないことばかりが取り沙汰されているせいでしょう。

これは広報が下手すぎるのが悪いと思っていますが、
一応ちゃんとメリットもあるんだぜって事を知っておいてください。

マイナンバーって何処で使うの?

マイナンバーについては、現在『税金』『社会保障』『災害対策』の
3分野において、複数機関に存在する個人の情報が同一人物であるかどうかの
確認に使われています。

逆に言うと、この3つ以外では使ってはいけないことになっています。
なので、身分証云々の話はここに引っかかってしまう場合が多いんですね。

私は税理士ですので、『税金』の範囲でお話ししますと、
マイナンバーが必要な場面は下記の通りです。

・確定申告
・年末調整
・源泉徴収票(給与支払報告書)
・法定調書(報酬の支払調書など)

その他にも、銀行や証券口座の開設にも必要になってきますが、
これらは間接的に『税金』が絡むからですね。

さて、上記の中で最も身近なのが『源泉徴収票』ではないでしょうか?
お勤めの方は比較的最近会社から貰いましたね?

ちょっと見てみてください。
マイナンバー載ってますか?

えっ?載ってない?

・・・大丈夫です。それが正常です。

源泉徴収票については、全部で3パターン出力します。
『受給者交付用』『税務署提出用』『市区町村提出用』の3パターンです。
(市区町村提出用の源泉徴収票を『給与支払報告書』といいます)

これらのうち、マイナンバーを記載する必要があるのは
『税務署提出用』と『市区町村提出用』なので、
皆さんのお手元にある『受給者交付用』にはマイナンバーの記載がないのです。

他のモノについても似たようなのもで、
自分の手元に来る書類にはマイナンバーは記載されません。

だからといって「じゃぁ出さなくても良いじゃん!」とはなりませんので、
会社から提出を求められた場合には、素直に提出しておきましょう。

提出したデータは、税務署や市区町村、年金事務所等に蓄積されていくのです。

とはいえ、マイナンバーはなくても良いんでしょ?

※ ここから先の話は、関係各所から怒られそうですが、事実です。

正直な話、確定申告書にマイナンバーの記載がなかったからといって、
申告そのものが無効になることはありません。

税務署に確定申告書の提出に行ったことがある方はお分かりでしょうが、
「マイナンバー分かるものはお持ちですか?」
「持ってないです」
「次回からお願いしますね」とリーフレットを1枚渡されて終わる流れです。

なので、どうしてもマイナンバー書きたくないという方は書かなくて大丈夫です。
実際そのような方を何人も申告してきましたので。
一度もハジかれたことありませんし、それが原因で税務調査に来る事もありません。

将来的には『マイナンバーのない申告書は無効とする』という法律が
成立してしまうかもしれませんが、それまでは大丈夫です。

税理士から何を言われても「主義ですので」と断りましょう。

編集後記

ということで、ざっくりマイナンバー解説でした。

税理士サイドからすると、集めるメリットよりも、
管理の手間や、漏らした時の罰則ばかりが目立ってしょうがないので、
正直、集めたくありませんw

制度の理念は良いと思うんですが、
どうせ、ねぇ・・・

まぁ、今後の動向に注目ってことですかね。

ちなみに私は自分の申告書にはマイナンバー記載しています。
お客さんの申告書については「主義」を尊重していますがw