江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。
今朝は租税教室という、税理士が小学校で税金について講義をするイベントに行ってきました。
6年生が対象だったのですが、小学校に入るのは25年ぶりで、
とても懐かしい、不思議な気持ちになりました。
誰しも、原点ってありますよね。
「私が○○が好きなのは、△△を見て・聞いてからだ」という感じのヤツ。
今日の租税教室が、誰か一人でも良いので、原点になったら良いなと
小学校でそんなことを思ったというお話です。
租税教室でやること
租税教室とは、税理士会と税務署がタッグを組んで、
地域の小学校や中学校に税金の教育を行うというモノです。
「皆さん、『税理士』って知ってますか?」という一言から始まります。
大体の子供は知らないので、
「病気になったら『お医者さん』、勉強が分からなかったら『学校の先生』
というように、税金についての相談は『税理士』にするというお仕事です」
「今日は、私たちと一緒に税金について考えていきたいと思います」
といった感じで進みます。
税金の種類や税金の徴収方法などを学び、
「租税の公平性」を考えます。
租税教室を疑似体験!①税金クイズ!
ここからは小学生になって気持ちで、考えてみましょうか。
まずは、税金の種類ですが、日本には何種類の税金があるかご存じですか?
①10種類
②30種類
③50種類
(正解は一番下に入れておきます。)
頭に浮かんだ税金を列挙してみましょうか。
所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税、住民税、事業税、たばこ税、酒税
固定資産税、自動車税・・・
改めて考えると、結構な種類の税金があるなと思いませんか?
次に、今頭に浮かんだ税金の徴収方法を知っていますか?
例えば、消費税はどうでしょう?
コンビニなどで買い物をしたら、8%の消費税を合わせて支払いますよね?
職業や年齢問わず、誰でも100円のモノを買ったら、8円の消費税を払うのです。
つまり、消費税の徴収方法は『同額』ということができます。
その他に、『同率』『特定の人』『能力に応じて』という徴収方法があります。
上で掲げたモノをそれぞれ分けてみるとこんな感じです。
『同率』・・・法人税、住民税、事業税
『特定の人』・・・たばこ税、酒税、固定資産税、自動車税
『能力に応じて』・・・所得税、相続税、贈与税
このように、税金の種類に応じて様々な徴収方法が存在します。
なぜ、複数の徴収方法が存在するのか?
これが『租税の公平性』に繋がってくるわけですね。
租税教室を疑似体験!②租税の公平とは?
例えば、たばこ税を吸っている人・いない人問わず
『同額』で集めたらどうでしょう?
当然、たばこを吸っていない人からすれば
関係ない税金を払わされている気になるでしょうから、
これでは『公平』とは言えません。
『特定の人』である、たばこを吸っている人からのみ
集めるのが『公平』でしょう。
また、消費税を『能力に応じて』お金持ちは30%、
そうでない人は2%としてみたらどうでしょう?
100円のモノを買ったら、お金持ちは30円の消費税
そうでない人は2円の消費税。
これでは到底『公平』とは言いづらいですね。
このように、税金の種類によって何が『公平』かは違ってきます。
そのため、税金の種類ごとに最も『公平』であろう
という徴収方法が決まっているのです。
租税教室を疑似体験!③租税法律主義!
これまで税金の種類や徴収方法、『租税の公平』について見てきましたが、
一体誰がこういったことを決めているのでしょうか?
それは『皆さん』です。
日本国憲法に『国民は、法律に定めるところにより、納税の義務を負う』と定められています。
法律に定めがない税金は存在しないのです。
これを租税法律主義といいますが、
裏を返すと、法律があれば税金を課せるということです。
では、法律を作っているのは誰ですか?
そう、国会ですね。
国会議員を選挙で選んでいるのは皆さん自身ですから、
法律を作っているのも皆さんです。という理論になります。
これが「国民主権」です。
一人一人が主人公となって、日本をより良い国にしていきましょう!
そのためにも、皆さんも自らの権利を行使すべく、選挙に行って投票しましょう!
租税教室を疑似体験!④最後に
とはいえ、まだ皆さんは小学生ですから、選挙権がありません。
そこで、私から宿題です!
どうすればこの国をより良い国にできるでしょうか?
ということを考えてください。
期限は・・・
皆さんが大人になるまでです!
以上で本日の租税教室を終わります。
ありがとうございました。
といって終了します。
編集後記
今日一度見てきただけなので、細部は違いますが、
概ねこんな感じで進みます。
皆さんも昔受けたことがありますか?
私は記憶にありませんでしたw
小学生ですから、税金なんて考えたこともない
という反応かと思っていたのですが、
結構レスポンスが良かったので、最近の小学生は凄いなという感じでした。
この租税教室がきっかけで税金に興味を持ち、
将来は税理士を目指す子供が一人でも増えれば良いなぁ・・・なんて思った一日でした。
ちなみに、クイズの答えは③50種類です。
私もすべては思いつきませんw