江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。
確定申告が始まり、私も早速今日1件報告しました。
その報告の際に、配偶者控除の話題になりました。
話題になったとは言え、「何か変わったんですよね?」という感じでした。
今日の方は結局影響なしだったのですが、
世間に全く浸透していないようなので、
簡単にまとめておきたいと思います。
改正前の配偶者控除ざっくり
今回の申告より、新しい配偶者控除で計算するわけですが、
改正前の配偶者控除はどのような制度だったのでしょうか?
ざっくり言うと、『所得がない配偶者がいれば、所得から38万円引ける』という制度でした。
『103万円の壁』という単語を聞いたことがありますね?
これは、まさしく『配偶者控除』が関係しています。
給与を貰っている場合、『給与所得控除』というモノがあります。
これは『概算経費』を国が認めているモノで、最低65万円の控除になります。
よって、給与が103万円であれば、103万円ー65万円=38万円の所得となります。
そしてこれとは別に、人間誰しも『基礎控除』というモノが38万円ありますので、
最終的な所得は38万円ー38万円=0円となります。
つまり、この『給与所得控除65万円』と『基礎控除38万円』のコンボで
103万円までであれば所得が0円になるので、配偶者控除が使えるという理屈です。
ちなみに『扶養控除』についても全く同じ理屈です。
改正後の新しい配偶者控除ざっくり
では、新しい配偶者控除は何が変わったのでしょうか?
大きく2点が変わりました。
改正前は、納税者側の所得に制限はなかったので、
高額所得者ほど、増税になっているということですね。
ちなみに、所得900万円というのは、給与のみの場合であれば額面1,120万円ですので、
結構貰っている人が制限対象ということですね。
所得が900万円を超えると税率が33%になります。
住民税率が10%ですので、合計43%の税金が掛ることになります。
ここが増税のあおりを食らいますので、16万円の増税となります。
実はこっそり変わっている配偶者特別控除
皆さん配偶者『特別』控除という制度を知っていますか?
ざっくりいうと、配偶者の所得が123万円以下であれば、
配偶者控除の38万円とまではいかなくとも、
多少の控除はしてあげますという制度です。
『103万円の壁』があまりにもメジャーになりすぎてしまったが故に、
ほとんど知られていませんが、実は配偶者に所得があっても、
控除できる可能性があったのです。
この配偶者特別控除にも、上記の配偶者控除と同じ改正が入りました。
文章だと伝えきれないので、詳細は下記でご確認ください。
国税庁HP<配偶者特別控除>より抜粋
こんな感じです。
見ただけで「うわぁ・・・」となりましたね?
大丈夫です。私もなりますw
やっぱり高額所得者ほど増税になっているんだ
ということだけ認識していただければOKです。
編集後記
ということで『高額所得者ほど増税!配偶者控除はこう変わった!』でした。
正直、意味不明な改正ですね。
103万円の壁を意識して働かない主婦層に
もっと働いて欲しいという趣旨だったと思いますが、
完全な逆目ですよね。
そもそも、所得が1,000万円超えていれば、専業主婦でもいけますよね。
そこの層が「旦那の配偶者控除が使えなくなったから、パートでもしようかしら?」
ってなると思いますか?
どうせなら、配偶者がいれば所得に関係なく
お互い20万円ずつ控除できるとかにすれば良いのに。