江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。
今日から仕事始めの方も多いのでは?
町中にサラリーマンの姿が多くなってきたように感じます。
今日は、新年に定期券を購入される方も多いでしょうから、
通勤定期代やSuicaチャージなどについて、経理の勘所行ってみましょう。
通勤定期代は経費になる?
Q:会社が支給した通勤定期代は経費になるのでしょうか?
A:なります
当たり前すぎますね。
しかし、当たり前のように見えても、注意すべき点があります。
それは、『決算はいつなのか?』ということ。
例えば、3月決算だった場合で考えてみましょう。
1月に半年分の定期を購入したとすると、全額経費にしても良いのでしょうか?
なんとなくマズい気がしてきましたね。
そこが今回の勘所です。
経費については「売上をあげるために必要な支出」と
定義づけられるという話は以前にしましたが、
この「売上をあげるため」というのがポイントです。
定期代で考えてみると、売上を上げるために必要な定期代とは何を指すのでしょうか?
答えは、「期間に応じて」です。
1月の売上を上げるためには、1月に出社する必要がありますので、
1月の売上を上げるために必要な定期券代とは、1月分の定期券代を指すのです。
(ゲシュタルト崩壊しそうですが(笑))
つまり、1月から6月まで半年分の定期代は、
1月から6月まで半年分の売上を上げるために必要な経費となるのです。
従って、3月決算の場合は、1月~3月までの定期代のみを経費としなければなりません。
計算方法は、単純に月割りでOKですので、
例えば、6ヶ月分の定期代が30,000円だった場合は
30,000円×3ヶ月/6ヶ月=15,000円を経費とします。
仕訳としては、下記のように処理すれば問題ありません。
1.定期代支給時
(旅費交通費)30,000(現金預金)30,000
2.決算時
(前払費用)15,000(旅費交通費)15,000
このように、前払費用という勘定科目を用いて、
支払いは済んでいるが、来年の経費とすべきモノですという処理をします。
来年になったら、
(旅費交通費)15,000(前払費用)15,000
と決算時の反対の処理をすることによって、
1月~3月と4月~6月の定期券代をそれぞれの年度に振り分けることができます。
Suicaにチャージしたら経費になる?
Suica便利ですよね。私はPASMOですが。
チャージしておくことで、切符を買う手間もなくタッチ&ゴーで行けますし、
コンビニのみならず、飲食店などでも使えるようになってきました。
キャッシュレス界の大御所って感じですね。
Q:チャージを旅費交通費で処理しているケースが多いのですが、
本当にそれで良いのでしょうか?
A:なりません
はい、なりません。大事なことなので2回言いました。
ここが今回の勘所です。
チャージしたお金が、何にでも使えてしまうというのが問題です。
チャージの段階では、その後何に使用されたかが明確ではないのです。
さらに言うと、実際に使用されているかも分からないのです。
◇ 旅費交通費で処理しているが、実際にはコンビニでジャンプを買った
◇ 決算間際に全従業員のSuicaに限度額2万円のチャージをして、旅費交通費として処理した
どちらも問題ありますよね?
こう書くと、「以前の税務調査では何も言われなかったぞ!」と言ってくる方がいるのですが、
それは、たまたま言われなかっただけです。
他に指摘事項が沢山あったんじゃないですか?
税務調査については、別の機会にブログに書きたいと思いますが、
最近の現場では、かなりの確率でSuicaの履歴を求められます。
コンビニ等で何かを買うと『物販』と印字されますので、
電車代以外に使用していることが一目瞭然となります。
調査官はこれを確認したいのです。
駅の券売機で簡単に出すことができますので、一度見直してみるのも良いでしょう。
百歩譲って、本当に交通費しか使っていなかったとしても、
残高が残ってしまうのが問題です。
例えば、10,000円チャージしたとして、
決算のタイミングで3,000円残高が残っていたとすると、
今年の経費にすべき金額はいくらでしょうか?
当然10,000円ー3,000円=7,000円ですよね。
経費は「期間に応じて」ですから。
従って、もしもチャージを経費している場合は、
◇ 交通費以外の利用がないか
◇ 決算時点での残高はいくらか
を確認しなければなりません。
ちょっと手間がかかります。
じゃあどうしたら良いのよ?
会社の場合
会社の場合には、チャージ代は従業員に負担してもらい、
定期的に経費精算する方法が良いでしょう。
経費精算書についても、後日ブログにUPします。
フリーランスの場合
フリーランスの方は、使った都度処理していくのが基本となります。
経理処理としては『事業主』勘定を使うようにしましょう。
『事業主貸』と『事業主借』という勘定科目がありますが、どちらでもかまいません。
ただし、統一だけしておいてください。
1.チャージ時
( 事業主借 )10,000(現金預金)10,000
2.使用時
(旅費交通費) 216(事業主借) 216
( 消耗品費 ) 324(事業主借) 324
といった感じです。
会社の場合と同様に、定期的な経費精算の形でも大丈夫です。
後日のブログにご期待ください。
編集後記
とはいえ、うっかりポケットWi-Fiを忘れてしまったので、
ブログUPが遅くなってしまいました。
休みボケですね。
1月は税務的なイベントが多く、気を引き締めたいところです。
また、今日から自転車通勤始めました。
自宅から事務所まで5キロほどですが、
運動不足を解消しようかと。
今日のタイムは18分20秒
向かい風が強く、久しぶりの自転車だったため、
時間がかかった気がします。
これも今後短縮していければ。