『スーツ代は経費になるか?』という問題に対する最終回答。

税金の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

今日は確定申告の期限が気になる中、
スーツを作りに行ってきました。

最近知り合いになった方がやっているスーツ屋さんで、
普段はインターネットでしかオーダーを受けていないところなのですが、
月に一度実際に生地等を確認しながらオーダーすることが出来るイベントをやっているので、
それに参加してきました。

100種類以上の生地があったと思います。
あれだけの種類があると、迷いますね。

いろいろ相談しながら決めていったら、2時間くらい掛りました。
迷いすぎですかねw

来月中には出来てくるらしいので、今から楽しみです。

ところで、このスーツ代は経費になるんでしょうか?
気になりますね。

今日はその辺の経理の勘所、行ってみましょう。

スーツ代は経費になるの?

「スーツ代は経費になりますか?」

本当によく聞かれます。
おそらく、世の全員が一度は思ったことがある項目でしょう。

実はこれ、税理士の中でも判断が分かれるところです。
多分七割くらいの税理士が「無理です」と答えると思います。
もし、税務署に聞いたら100%「無理です」と言ってきますw

無理です派の根拠としては、
昭和49年のとある裁判事例が挙げられています。

詳細は割愛しますが、スーツ代を経費に入れていた納税者が負けた事例です。

40年以上前のたった一つの裁判事例が
現在まで影響を及ぼしている状態になっています。

これがあるせいで『スーツ代は経費にならない!』
という部分だけが一人歩きしているのが現状です。

ちゃんと判決文を読めば、すべてのスーツ代が否定されているわけではない
ということが分かるはずなのですが・・・

スーツ代を経費にするためにはどうしたら良いの?

簡単です。

『仕事でしか使わないこと』

これだけです。

何だよ!そんなのスーツなんて仕事でしか着ないよ!と思いますよね?
私もそう思います。

しかし、税務署の考え方は違います。
「夜、スーツ着て飲みに行くでしょ?」「冠婚葬祭にスーツで行くでしょ?」と言って、
仕事とプライベートを明確に区分できなければ、経費としては認めないと言ってきます。

無茶苦茶ですよね?
私からすると噴飯ものなのですが、コレがまかり通っています。

ですので、逆説的に『仕事でしか使っていない事が明らか』or
『仕事で使った分が明確になっている』状態であれば、
その分は経費でOKということになります。

具体的な方策は?

例えば会社のロゴマーク入りなど『制服』としてのスーツであれば
問題ないでしょう。

もしくは、セミナー講師をやるとき『だけ』しか着ないとかでもOKです。

実際私は、過去の税務調査でスーツではありませんが
『グッチの靴』を経費で認めさせたことがあります。

その方はセミナー講師をされており、
本当にそのセミナー会場でしか『グッチの靴』を履いていなかったので。

ちなみにそのときは、調査官に靴底を見せました。

普通の道路を歩くと、靴底が傷つくモノですが、
セミナー会場でしか履いていないので、靴底が綺麗なままだったのです。

これでプライベートで履いていない証明になりました。

この程度で良いのです。
仕事でしか使っていない証明していきましょう!

編集後記

ということで『「スーツ代は経費になるか」という問題に対する最終回答。』でした。

無理です派の税理士はビビり過ぎだと思います。
とはいえ、あまりにも高級なスーツなどは止めて欲しいですね。
嗜好品扱いされかねないので、精々10万円以下くらいでお願いしたいところです。

ここから先の話は『私がこうする』という話ですので、
皆さんに当てはまらないと思いますが、小話程度に見てください。

私は今回作ったスーツを自宅には置かず、事務所に置くつもりです。

現在は事務所まで自転車で通勤していますので、
自宅~事務所間でスーツを着たくないからです。

つまり、自宅→事務所が私服で、来客や外出があるときはスーツに着替え、
帰宅時も私服に着替えて自転車で帰るという流れになりますので、
このスーツは仕事でしか使わないということになります。

これでOKでしょう。
というか税務署が来ても、これで戦います。

来客等なければ、そのまま私服で仕事しますが、
さすがに私服を経費にするつもりはありませんのでw