新成人おめでとうございます!知ってる?贈与税?

税金の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

昨日は成人の日でしたね。
新成人の方々、おめでとうございます。
もう少しで2回目の成人式を迎えようとしている
おっさんからもお祝い申し上げます。

さて、成人を迎えるにあたり、お婆ちゃんからお祝いを貰ったりしますよね?
ZOZOの前澤社長の『100人に100万円』の際にも話題になりましたが、
これは贈与に該当しますので、注意が必要です。

金額によって贈与税がかかるって知ってますか?

私が成人した当時は当然のことながら無知でしたので、
今回は基本的なモノだけピックアップしてお話ししておきたいと思います。

一般贈与財産の場合

贈与には基礎控除というものがあり、年間110万円までは贈与税がかからない
ということは以前お伝えしたとおりです。

20歳を超えると、その後が違ってきます。
具体的には下記をご覧ください。

まずはこの表をご覧ください。
これが『一般贈与財産』の場合の贈与税の税率です。

(国税庁のHP≪贈与税の計算と税率(暦年課税)≫より抜粋)

一般贈与財産とは、いわゆる特別な関係ではない贈与のことをいいます。
(特別な関係については後述します。)

基礎控除後の金額ですので、『110万円をマイナスした金額』が
どのステージにいるかで贈与税の金額が決まります。

例えば、1000万円贈与を受けた場合は、
1000万円ー110万円=890万円が課税対象となりますので、
『1000万円以下』のステージとなります。

よって、890万×税率40%ー控除額125万円=231万円の贈与税となります。

特例贈与財産の場合

続いて、こちらをご覧ください。

(同じく国税庁のHP≪贈与税の計算と税率(暦年課税)≫より抜粋)

これが『特例贈与財産』の場合の税率となります。

この税率は、直系尊属(両親、祖父母など)から、
贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者(子、孫など)に対して
贈与があった場合にのみ使うこととなっています。

ですので、それ以外の例えば兄弟間での贈与、夫婦間での贈与、
直系尊属からの贈与であっても、子・孫などが20歳未満の場合などは
『特例贈与財産』ではなく『一般贈与財産』の税率を用います。

その意味では、成人式を迎えていても、早生まれの場合は『一般贈与財産』
となるので注意が必要です。
判定は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者であるかどうかです!

 

先ほどと同じく、1000万円の贈与があったとすると、

1000万円ー110万円=890万円が課税の対象となるところまでは同じです。

『1000万円以下』のステージになりますので、
890万円×税率30%ー控除額90万円=177万円の贈与税となります。

20歳超えるとここまで違うの?贈与税の額!

今まで『一般贈与財産』の場合と『特例贈与財産』の場合を見てきました。
続いて、この2つを比較していきましょう。

上記の例では、1000万円の贈与を受けた場合の贈与税は、
『一般贈与財産』の場合231万円
『特例贈与財産』の場合177万円
でしたので、54万円の差があります。

実質的な税負担割合で考えると、
『一般贈与財産』の場合、231万円÷1000万円=23.1%
『特例贈与財産』の場合、177万円÷1000万円=17.7%
となりますので、5.4%の差があります。

このように、『特例贈与財産』の方が税率が安くなっています。
これは、『贈与とは上から下に流すのが普通でしょ!』という考えと、
『20歳超えていれば、ひとりの大人として、貰ったモノを管理するだろう』
という考えに基づいています。

裏を読むと『未成年に対する贈与は親の財産隠し』という面を否定していないのです。

貰えるモノがあるかどうかは置いておいて、
上手く使って、効率よく財産を貰いたいモノですね。

編集後記

今日は贈与についてのお話でした。
私は以前、父の所得税の申告をして、かなりの還付があったときに、
「110万までは贈与税かからないから、くれ」と言ったことがあります。

当然ながらダメでしたがw

毎年息子に110万円贈与してもビクともしないような人間になりたいモノです。